多様性あふれる湿地(9月定例活動)

9月の定例活動もまずは湿地内の観察からスタート。 

このみずみずしい植物は、アオミズ。名前の通り緑色でみずみずしいのが特徴の湿った山野に生える一年草。アクが少なく若葉はサラダなどで食べられる山菜なんだとか。


葉がエノキ(榎)に似ている?この植物は、その名もエノキグサ。畑や路傍などに普通に生育する、こちらも一年草。


糸を通して数珠(じゅず)にして遊んだ方もいるのでは?水辺に自生するジュズダマは、東谷戸の湿地ではお馴染みの植物です。


こちらはタカサブロウ。日本には在来種と外来種(アメリカタカサブロウ)があり、見分けるには果実の形がポイントとのこと。どちらなのかは専門家の同定を待ちたいと思います。


外来種のキショウブの抜根(除去)した木道沿いにはミゾソバが群生しています。抜根作業はかなりの重労働でしたが、こうして在来の湿生植物の回復が進んでくるのは感慨深いものがあります。


多年草のガマは今年も大きく成長し、「蒲の穂」(雌花群)もだいぶ熟してきました。綿毛が飛散するのももうすぐです。

そして田んぼの稲も実ってきました。稲刈りが楽しみです。

在来の湿生植物の回復が進んできた湿地には、たくさんの生きものが生息しています。

まずは東谷戸ではお馴染みのホトケドジョウ。ホトケドジョウは水質や水温が安定した、流れの緩やかな環境を好むそうです。

水辺には、様々な生きものがやってきますが、キイロスズメバチは水を飲みにきたのでしょうか。

水辺でぴちゃぴちゃしている鳥さんがいると思ったら、びしょ濡れのヤマガラでした。羽についた汚れや寄生虫を落とすために水浴びをしていました。暑い日は気持ちよさそうですね。


ヤマガラがいるということは、、、やっぱりいました!
ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロの混群が来ていました。


もちろん、水辺にはトンボもたくさんいます。こちらは、マユタテアカネ。

チョウチョもたくさんいます。


まるで枯れ葉のようなチョウですね。クロコノマチョウの幼虫はヨシやジュズダマなどのイネ科の植物を食べるので、卵を産みにきたのでしょうか。


こちらはキタテハ。


こちらは、ミドリヒョウモンのメス。


ヤブガラシの花にはアオスジアゲハとアブが蜜を求めて集まっていました。


一触即発?、にらみ合うオオカマキリ。
たくさんの生きものがいる湿地は、時にはこんなシーンも。

わずか1時間くらいの間でしたが、実にたくさんのわぉ!な出会いを楽しむことが出来ました。

自然観察を楽しんだ後は、もちろん湿地の手入れ作業も行いました。

この日は、、下流域のマダケ群生の手入れとつる植物の刈り取りです。みんなでワイワイ、作業もはかどります。


参加された皆さん、お疲れ様でした~。


9月定例作業

日時:2025年9月27日(土)10時~15時 参加人数:8人 作業内容:

  • 田んぼへの木道通路など必要最低限の草刈り           
  • ヨシ群生地のツル植物状況を確認                  
  • 下流域のマダケ群生手入れ
  • 最下流域の擁壁とマダケ群生間のツル植物等刈取り
  • 下田んぼにしなだれている竹のクズ除去
  • 打ち合わせ

おまけ

作業をしていると、木道をとことこ歩いてくるタヌキさんに出会いました。
あれ!人がいる!と気づいて、藪の中へ。急いでシャッターをきったところ、お尻だけ写っていました。




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